前回、外国人2名以上で事業を共同経営する場合、経営管理ビザ500万円の出資額に関する解説をご説明いたしました。

今回は外国人2名でなく、日本人と共同経営する場合(永住者など就労制限がない外国人も含みます。)の500万円の出資に関する解説をしたいと思います。

日本人(就労制限のない外国人を含む)と2名で共同経営する場合、500万円の出資額の配分はどのようにすれば、経営管理ビザの法律上の許可要件を満たすでしょうか?

 

外国人1名と日本人1名が出資して経営する場合

・出資額の総額が500万円でも法律上の要件は満たされる。

・外国人が実質上の経営権をもつように出資する。例えば株式会社の場合、単独で経営に関する事項を株主総会で議決できる割合。特別決議を単独でできる3分の2以上(約67%)が望ましい。

 

外国人2名で共同経営する場合

・各自、500万円以上の出資をする。

・各自の出資額が均等になるようにする(例:500万円と600万円)

・各自の経営に関する役割、利益の配分などを明確に決める。(定款に記載する)

・どちらかに経営上の決定権が偏らないように、機関設計する。

 

なぜ、外国人同士の共同経営は、各自500万円以上で、日本人と共同経営なら総額で良いのかと疑問があると思います。

出入国管理法の法令上の文言は「資本金の額又は出資の額の総額が500万円」となっており、出資する人数には規定がありません。500万円相当の資本金または出資金があれば要件は満たすのですが、法人または自営業で「誰が経営に関する決定権があるか」ということが重要視されます。

日本人と共同経営する場合で示したように、外国人の方は株主総会の特別決議を単独でできる出資割合で、日本人の出資額では会社に関する事項の決定権がありません。経営権は外国人1名に単独であると判断できます。

仮に、外国人2名が日本人と共同経営する割合で出資すると、どちらかが経営に関する事項の決定権がないことになります。なので、外国人2名で出資が総額500万円だと、どちらか1名は経営管理ビザの要件に該当しないと判断されます。

しかし、外国人2名で、それぞれ500万円以上出資し、かつ、どちらも経営に関する決定権を持ち、どちらかがいなければ会社の経営が継続できず、かつ利益配分も決められているとなれば法律上の要件を満たす取扱いになると法務省が示しています。

2名以上の外国人が共同で事業を経営する場合(法務省)

 

外国人の方が、日本で会社経営するには、様々な方法があります。当行政書士事務所では、お客様の状況をよくお聞きして、適切なアドバイスをいたしますので、お気軽にお問い合わせください!