今回は、「家族滞在」の在留資格をもち、日本で義務教育の大半を修了した上、高等学校卒業後に日本で就職を希望される方に関して解説していきたいと思います。
父母に同伴して「家族滞在」で入国し、高等学校を卒業後に日本での就労を希望する場合には、出入国管理法に定める「技術・人文知識・国際業務」等の就労に係る在留資格の学歴等の要件は満たさないこととなりますが、「日本で義務教育の大半を修了したした方」につきましては、「定住者」への在留資格の変更が認められる場合があります。
対象となる方
次のいずれにも該当する方です。
- 現在、在留資格「家族滞在」で日本に滞在していること
- 日本において義務教育の大半を修了していること
- 日本の高等学校を卒業していること
- 就職先が決定又は内定していること
- 住居地の届出等、公的義務を履行していること
※ 小学校低学年で来日し、その後継続して日本に在留して高等学校を卒業した場合に対象となります。
※ それ以外の場合であっても、例えば小学校中学年で来日した場合等については、その後の出国歴等を勘案の上、対象となる場合もありますので、当行政書士事務所へお問合せください。
提出資料
- 在留資格変更許可申請書「定住者」 1通
- 写真(縦4cm×横3cm) 1枚
- 履歴書
(日本において義務教育の大半を修了した経歴について記載のあるもの) - 日本の小学校及び中学校を卒業していることを証明する書類
(卒業証書の写しまたは卒業証明書) - 日本の高等学校を卒業していること又は卒業が見込まれることを証明する書類
- 日本の企業等に雇用されること(内定を含む。)を証明する書類
(雇用契約書、労働条件通知書、内定通知書等。内定通知書に雇用期間、雇用形態、給与の記載がない場合には、これらが分かる求人票等の資料を併せて提出) - 扶養者による身元保証書
- 住民票(世帯全員の記載があるもの) 1通
※ 発行日から3カ月以内のもの - パスポートと在留カードの提示
まとめ
今までは高校卒業後、大学等への進学費用を得るために一定期間就労する場合や、日本で就職しようとする場合「家族滞在」の在留資格では資格外活動の範囲でしか就労することができず、また就労の内容が「人文知識・国際業務」等の就労資格に該当するものであったとしても、学歴・職歴に係る基準に適合せず、結果として就労の機会が限定されていました。
ですので、平成27年1月より幼少の頃から日本で生活し日本社会への十分な定着性が認められる方は、「特別な理由」がある方として就労する機会が広げられました。
雇用主の方、就職を指導されている高等学校の方、高等学校卒業後日本で就職を希望されている方等不明点がありましたら、どうぞお気軽に当行政書士事務所へお問合せください。