外国人の知識、感性を生かしてもらい、業務拡大や利益向上に貢献してほしいとお考えの企業様も多いのではないでしょうか?

しかし、採用決定後に学歴が法令の要件を満たしていなかったとなれば、ご本人も採用側も実に残念であり、その際にかかった経費、時間はすべて無駄になります。

今回は、そのようなことが起こらないように、技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)の要件にあてはまる業務で外国人の採用をお考えの企業様向けに、留学生の学歴により、ビザ申請(就職)が可能かどうかをご説明したいと思います。

技術・人文知識・国際業務ビザとは、日本の役所や企業契約して(雇用・委託など)行う業務に関して許可されるビザです。

外国人(留学生)の学歴要件(基準を満たしている方)

まず、留学生の定義ですが、留学生とは、

「日本または外国の大学を卒業(4年制とは限りません)」「日本の専修学校の専門課程の教育を受け、「専門士」もしくは「高度専門士」の称号を付与されているもの」となっています。

ただし、外国の大学の卒業者については、「学士」(Bachelor)を持っていることを証明することが前提となります。

では、外国の大学はなぜ「学士」(Bachelor)を持っていることを証明しなければいけないかですが、まず外国の大学は「日本の教育制度上の大学」に該当するかどうかが審査されます。そのため、最終学歴が海外の大学卒となると、以下が非常に重要になってきます。

外国人・留学生の学歴要件(基準)を満たしていない方

  • 外国の大学(4年制に限らない)を卒業したが、「学位」(Bachelor)保持者ではない。
    (ただし、日本の教育制度上の大学と同等の教育を受けたと判断される場合もあります。
    複数の確認方法がありますので、判断に迷う場合は、当行政書士事務所へお気軽にお問合せください。)
  • 最終学歴が外国の専門学校卒や高等学校卒

雇用をお考えになっている候補者には、最初にどの資格をお持ちになっているかをご確認ください。

では、証明関係が明確になった後は、ビザ申請については雇用形態についても手続きが必要になりますので、その点について解説いたします。

どのような雇用形態だと良いのか?

契約とは雇用契約のほか、委託契約、嘱託契約等が含まれます。
そのため正社員でなくてもビザ申請は可能です。
しかし、契約としては「特定の継続的なもの」でなければなりません。

最終学歴が大学卒と専門学校卒の違いについて

大学卒・専門学校卒も、「従事しようとする業務に必要な技術又は知識に関連する科目を専攻して卒業していること」(要約・出入国管理及び難民認定法第7条第一項第二号の基準を定める省令より)とされております。

大学は、「広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究…」と学校教育法上で定義されています。よって、大学卒業者は、従事しようとする業務と専攻科目の関連性は、柔軟に判断されています。(※ 平成27年2月(平成27年3月改訂)法務省入国管理局 留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更のガイドラインより)

この点は多様な業界業種の企業様が一般大学を卒業する日本人を雇用することと大きく変わらないと置き換えれば分かりやすいかと思います。

一方、専修学校(専門学校)は、「職業もしくは実生活に必要な能力を育成し、向上を図る」と学校教育法で定義されており、この定義を基に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得て専門学校を最終学歴とする留学生は、学んだことと、職務の一致が求められることになります。

 

2019年1月に留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更のガイドラインが改訂されています。詳しくはこちらをクリックください。2019年1月改訂「技術・人文知識・国際業務」への変更のガイドライン

2019年4月改正の出入国管理法にともない、最終学歴が大学または専門学校の「技術・人文知識・国際業務」への変更許可基準が緩やかになっています!

外国人採用(ビザ申請)をお考えの企業様は、採用検討段階からお問合せいただければ、法令にしたがった方々を採用することをサポートできますので、是非当行政書士事務所にお問合せください。