今回は、日本に居住資格がなく、

外国に住所がある外国人の方が、日本で会社を設立するときに必要なサイン(印鑑)について解説していきたいと思います。

 

外国人の方も日本に90日以上の在留資格があり日本に住居があると、住民票が作成されます。そして住民票がある市町村で印鑑を登録して、印鑑証明書を取得することができます。この印鑑が実印と呼ばれているもので、市町村に登録しているのは個人の実印となります。

 

会社を設立するとき発起人は、この実印と印鑑証明書が必要となりますが、外国に住所がある方の場合、日本に印鑑登録されていないので、自国や母国でサインの公証(署名証明書)が必要になります。

 

日本に住所がない外国人の方が会社設立するときに、署名証明書が必要となる場合、どの機関の証明が有効か下記をご覧ください。(A国というのが、サイン証明を必要とする外国人の方の母国です。)

 

1.本国に所在する本国官憲作成 (例)A国にあるA国の行政機関
2.日本に所在する本国官憲作成 (例)日本にあるA国の大使館
3.第三国に所在する本国官憲作成 (例)B国にあるA国の大使館
4.本国に所在する公証人作成 (例)A国の公証人

 

上記のうち、新たに「3.」が平成28年6月の法務省通達で、加わりました。外国人の方が母国でなく、他の国に居住していても、その国の母国の大使館で署名証明書を取得できれば、会社設立に必要な日本の市町村が発行した印鑑証明書として取り扱ってもらえます。

 

韓国や中国は印鑑登録制度があるようなので、当行政書士事務所では、会社設立のときに本国の印鑑証明書を取得していただいて会社設立手続きをいたします。そのときによく「公証しなくて大丈夫ですか?」と聞かれるのですが、外国の官公署(役所)が発行した印鑑証明書は、公証しなくても会社設立手続きができます。

但し、会社法に規定されている法人(株式会社や合同会社)を想定した通達なので、他の法律に基づいて設立される法人に関しては、本国の印鑑証明で法人設立できるか確認を要します。他の種類の法人設立を計画されている方は、当行政書士事務所へお問合せいただくか、法務局へご確認ください。

 

外国の役所に日本の役所が発行した証明書を提出するときは、アポスティーユや公印証明が必要な場合が多いです。でも、日本は会社設立で公証役場や法務局へ外国の印鑑証明書を添付するときに、印鑑証明書の公証が必要ないのです。(平成29年現在ですので制度が変わればまた、お知らせします。)不思議な感じです。

 

現在は日本に住所を有しなくても、外国人の方が日本に会社を設立して、経営者になることができます。当事務所でもお手伝いできますので、お気軽にお問合せください。